委員長挨拶 Welcome Message

(神戸大学 海洋底探査センター 副センター長 教授)
グローバル化とデジタル変革が急速に進展する現代において、人、物、情報が複雑に交錯するネットワークの重要性はかつてないほど高まっています。その中で「海洋」は、地球規模のグローバルネットワークを必要とする典型的な舞台であり、激動の時代における新たな成長の源泉でもあります。
現在、我が国の成長戦略においても海洋・造船・港湾ロジスティクス分野をはじめとする関連産業が重点分野として位置づけられ、国家レベルで「海洋」に対する注目と未来への投資が急速に高まっています。さらに、こうした産業の発展を加速させる鍵となるのが、海洋DX、システムインテグレーション(SI)、AI・ロボティクス、そして脱炭素(GX)をはじめとする分野横断的な先端技術の融合です。産業界・学術界・公的機関が緊密に連携し、これら最先端の知見と技術革新を社会実装へと繋げるプラットフォームの構築は、我が国の国際競争力を高め、持続可能な社会を実現するための不可欠な鍵となっています。
テクノオーシャン・ネットワーク(TON)は、この潮流に先駆けて1986年より海洋の科学技術に関する国際コンベンション「Techno-Ocean」を神戸で隔年開催し、約40年にわたり産学官の強固なネットワーク構築に尽力して参りました。わが国唯一の海洋横断型総合コンベンションとして、国内外のステークホルダーが一堂に会し、新たなパートナーシップを育む場として広く認知されています。
直近の「Techno-Ocean」では、その存在意義をさらに深めるべく、シンポジウムをパネルセッション形式とし、海洋科学技術に関わるタイムリーなテーマを取り上げてまいりました。「海のSDGs」を旗印に、専門分野や業種の垣根を越え、産官学のキーパーソンが最新の知見をぶつけ合う深い議論の場を提供し、多くの共感と支持をいただいております。海洋はエネルギー・環境問題の解決や産業基盤の革新に向けた巨大なポテンシャルを有しており、最新のテクノロジーを介した情報共有と相互理解、そして技術の社会実装は一刻の猶予もない重要課題です。また、海洋産業の持続的な発展には、次世代を担う人材の育成、高度なニーズとシーズのマッチング、そして地域社会との共創が不可欠です。
第21回となる「Techno-Ocean 2027」では、こうした国家的な期待とこれまでの成果を礎とし、ここで改めて「海でつながる」をメインテーマに掲げます。このテーマには、技術と産業を繋ぐ、国境を越えて知を繋ぐ、そして現代から未来の世代へと志を繋ぐという、多層的な「結びつき」への意志を込めています。
本会におきましても、海洋の未来を左右する「基幹産業の革新」「脱炭素・海洋エネルギー」「ブルーエコノミー・持続可能な海洋利用」「海中開発・フロンティア開拓」といった分野横断的な重要課題を幅広く議論する場を創出いたします。これらにDXやSI、AI・ロボティクスといった最先端技術を掛け合わせ、多様なセクターが「海」を介して有機的に繋がり、イノベーションを共創するプラットフォームとして、また日本の海洋技術の圧倒的なプレゼンスを世界へ示す契機として、さらなる充実を目指します。
海洋の未来を切り拓く本コンベンションの趣旨をご理解いただき、関係各位におかれましては、ご発表・ご出展・ご参加をはじめ、格別のご支援とご協力を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。